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魚にひそむ寄生虫の実態!人体に害を及ぼす「アニサキス」とうまく付き合うには?

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検索サイトで「魚 寄生虫」と調べると決まって出てくるのがアニサキスです。アニサキスに限らず魚には様々な種類の寄生虫が潜んでいるのです。では具体的にどのような寄生虫が人体に悪影響があるのか皆さんご存知ですか?

実は魚の寄生虫といっても意外と人体に悪影響を及ぼすものは少ないのです。あるとすれば先ほど登場したアニサキスです。

しかし、そんなアニサキスでも生態をきちんと理解し対応をしっかり行えば、生魚でも美味しく安全に食べることができます。そんな訳で、今回は魚にひそむ寄生虫の実態を詳しくご説明させて頂きます。

そもそも寄生虫とはどんな生物?

寄生虫とは他の動物(宿主)の体内または体外に付着して栄養を摂取し、宿主と共に生活する生物です。種に限らずヒト・魚・植物・家畜(ブタ等)・昆虫・ペット(犬・猫)など、多くの動物(宿主)に存在しています。

簡単にですが、ノミを具体例として説明します。ペットを飼われている方でノミに刺されたことはありませんか?かゆみも伴い、なんだか気持ち悪いですよね。ノミは世界中に生息し、犬や猫をはじめヒトなど様々な動物を宿主として血液を吸い成長していきます。

ノミは単体では生存することはできず、なにか別の種に寄生してその生物から栄養を摂取します。このような生物が「寄生虫」なのです。

魚の寄生虫代表格!アニサキスの実態に迫る!

「アニサキス」といえば、度々アニサキス中毒などの話題が取り上げられ、ニュースなどで誰もが耳にしたことがある言葉だと思います。アニサキスは、半透明白色で大きさは長さ2㎝~3㎝。幅は0.5~1mm程。白い糸のような形状で目視することができます。

上述の通りアニサキスは人体に悪影響を及ぼす寄生虫であり、かなりの確率で魚に寄生しています。

アニサキスの認知度は高くなってきましたが、対策方法を知る人は多くないようです。被害現象は年を重ねるごとに増加傾向にあります。

アニサキス被害 データ
参照データ:厚生労働省

この項目ではそんなアニサキスの実態や、アニサキスを摂食してしまった際に起こる症状について説明していきます。

様々な生物を巡って寄生!~アニサキスの生態~

アニサキス成虫は、最終的には宿主であるイルカやクジラなどの海洋哺乳類の体内で産卵します。海洋哺乳類の糞便とともに卵が海水中に排出され、その卵を食べたオキアミ(エビの一種)などの体内で幼虫になります。

オキアミなどは多くの魚介類に捕食され、それを食べた魚介類の内臓にアニサキスが寄生します。その魚介類はイルカやクジラなどの海洋哺乳類に捕食され、再び海洋哺乳類の体内に寄生し、産卵するというサイクルを繰り返します。そのため非常に多くの魚介類に寄生していると言われています。

油断大敵!寄生するのは内臓だけじゃない!

アニサキスに寄生された魚を適切な処理をせず生食することによって、アニサキス中毒を発症することになります。水揚げされた魚介類は数分程で死亡しますが、この時点ではアニサキスはまだ生きています。

寄生元の魚が死亡後アニサキスは内臓から筋肉へと移動します。アニサキスと言えば魚の内臓に寄生しているイメージが強いですが、魚の身にも寄生している場合があるため油断禁物です。

生きたアニサキスを食べても便として排出される場合もあるようですが、多くは胃や腸に留まり、私たち人間を懲らしめることになるのです。

胃にも腸にも危害を及ぼす!~アニサキス中毒症状~

アニサキス中毒は刺入部位により胃アニサキス症と腸アニサキス症に分類されます。

  • 胃アニサキス症・・・食後数時間~十数時間後にみぞおち部の痛み・嘔気・嘔吐などを生じます。
  • 腸アニサキス症・・・食後十数時間後~数日後に下腹部の激痛・腹膜炎症状などを生じます。
  • アニサキスアレルギー・・・蕁麻疹等の一般的なアレルギー症状と似たようなもの。

十分に加熱・冷凍によって死滅したアニサキスはタンパク源になるため、食べても腹痛などの中毒症状をを生じることありません。しかし死滅したアニサキスが原因となってアレルギー症状を引き起こすことが稀にあります。

サバアレルギーだという方が、病院で検査したところ実はサバではなくアニサキスアレルギーだったという例も報告されています。

知っておくべき!アニサキスの予防法と駆除法!

アニサキスをうっかり摂食してしまって苦しい想いをしてしまう…。なんてことにはなりたくないですよね。美味しく魚を食べるためにも、アニサキスの予防法と駆除法を知っておきましょう!

加熱で確実にアニサキス対策!

アニサキスは熱に弱いため、加熱処理をすれば安心していただくことができます。60度で1分もしくは、70度以上で加熱することが推奨されています。

加熱処理はアニサキス対策でも有力な方法ですので、あまりに心配な方または、目視でアニサキスを確認した場合は加熱してしまいましょう。せっかくのお魚がアニサキスのせいで台無しにならないように、美味しく調理しましょう。

冷凍でアニサキスは死滅!

加熱処理と並んでアニサキス対策に効果的なのが、冷凍です。-20度で24時間以上で死滅すると言われています。しかし、家庭用の冷凍庫の設定温度は-18度が多いので、よく確認して冷凍時間を調整しましょう。-18度の冷凍庫の場合は、48時間以上の冷凍が必要です。

冷凍でも魚を美味しく食べる方法

冷凍すると魚の細胞が破壊されてしまいます。冷凍方法でアニサキス対策を行う場合は、でうまく解凍することが重要です。

凍った魚を無理に解凍すると魚から水が旨味とともに出ててきてしまいます。魚の味を損なわないためには、ゆっくりと時間をかけて解凍することが大切です。

調理に使う前日から冷凍から冷蔵に移して、解凍しましょう。この時、全解凍よりも中心部はまだ凍っているぐらいで調理することをお勧めします。

解凍いらず!凍ったまま揚げ物

すぐに使いたいという場合は、揚げ物にしてしまいましょう。凍った状態で、塩胡椒をまぶし、衣をつけます。この時、いつもよりしっかりと衣をつけないと揚げている際に剥がれてしまうので気をつけてください。

油の温度を160 ℃くらいで魚を投入します。通常の揚げ物よりも低温で揚げるため、時間がかかってしまいます。必要以上に箸でつつくと衣が剥がれたり、身が崩れてしまうので衣の色に気をつけてあまりいじらないようにしましょう。

目視でアニサキスを確認しよう!

アニサキスは、視認できるほどの大きさなので目視でアニサキスを確認したら取り除くという方法も効果的です。

ただし、アニサキスは寄生している魚が死んだら、内臓から筋肉に移動するため、表面しか確認することができない目視では100%の対策とは言えません。目視で1匹でも確認ができた場合は、冷凍もしくは加熱で対策するのがオススメです。

鮮度の良い魚を選ぶ

鮮度の良い魚は、アニサキスがまだ内臓から筋肉に移動していない可能性が高いため、はやめに内臓と内臓周りの身を除去することで対策できます。

釣りで釣った魚であれば、その場で内臓処理をするのがオススメです。

鮮度の良い魚の見分け方

鮮度がわかりやすく出るのが目とエラです。スーパーなど手に持って確認できない場合は、魚の目を見て鮮度を判断しましょう。白濁とした目の場合は、鮮度は期待できません。

エラ蓋を開くことが可能でしたら、エラの色で判断するようにしましょう。白っぽかったり、くすんだ色の場合は、時間の経った魚です。ピンク色で形がはっきりしたものを選びましょう。

薄く切る・細く切る

お刺身で食べる場合は、薄く切ることでアニサキスを断ち切ることができます。イカなどが細く切られていたり、隠し包丁が入っているのはアニサキス対策の一環です。お醤油もよく絡むので一石二鳥ですね。

加えて、よく咀嚼することを意識すればお刺身でも楽しむことができます。

アニサキス症を発症したら、どうするの?

もし、あなたが生魚を食べて激しい腹痛・嘔吐等の諸症状を伴ったら直ちに病院へ直行して下さい。

アニサキス症の診断は、詳細な問診と臨床症状によって決定しますので、食べた魚の種類をしっかり伝えられるようにしておきましょう。アニサキスが、胃にいるのか腸にいるのかで治療方法は異なります。

胃アニサキス症の場合

胃内視鏡検査を行います。内視鏡の先端にピンセットのようなものを取り付け、口腔から内視鏡を入れ胃の中にいるアニサキスを直接摘出します。

腸アニサキス症の場合

アニサキスは人間を宿主とすることができないため約1週間で死滅するとされています。そのため腸アニサキス症の場合は抗生剤、ステロイド、抗アレルギー薬を用いて経過を診ながら治療をします。

アニサキスは魚の死後、内臓から筋肉に移動すると説明しましたが、人間の体内と魚の体内では大きな違いがあるためアニサキスにとって人体は好適ではないようです。そのため胃や腸の粘膜潜り込もうと「穿孔(せんこう)」という穴をあけてしまいます。

運が悪ければ腸を穿孔(せんこう)し、急性腹症や肉芽腫による腸閉塞となり開腹手術を行うケースもあるんだとか。

アニサキス以外にもいる!さまざまな魚の寄生虫

ここまで、アニサキスについて具体的にご紹介させていただきました。以下に食卓によく並ぶ魚に潜む寄生虫を中心にご紹介させていただきます。

クドア・セプテンプンクタータ

クドア・セプテンプンクタータは「ヒラメ」の筋肉内に潜む寄生虫です。この寄生虫がたくさん寄生したヒラメを生で食べることによって食中毒の症状がでます。

食後数時間で一過性の下痢や嘔吐を伴いますが軽症の場合が多く速やかに回復します。

夏に多く発生するため、夏場のヒラメの刺身には十分に注意して下さい。

タイノエ

別名「ウオノエ」と呼ばれており、アジ・タイ・サヨリなどの魚の口腔内やえら・体表面にへばり付き体液を吸う寄生虫です。まれにスーパーで売っている魚にも寄生しています。

見た目はかなりグロテスクですので、慣れていない方は驚いて魚を放り投げてしまうかもしれませんね。誤って食べてしまっても人体に影響はありません。

素揚げにして食べるとエビのような味がして美味しいらしいです。食べる勇気があればですが…

テンタクラリア

「カツオ」の筋肉、特に腹部付近に潜む寄生虫です。白い米粒状の形をしておりこの寄生虫がいる魚は鮮度が大変良いそうです。

摂食しても人間の胃酸で死滅するため人体に影響はありません。

ブリ糸状虫

ブリの血合いに潜み吸血する糸状の寄生虫です。ミミズのような形状をしており吸血するため身体も赤いのが特徴です。

摂食しても人体に害はなく目視できる寄生虫ですので、発見したら駆除してくださいね。

サンマウオジラミ

名前のとおりサンマの表皮に付く寄生虫です。この寄生虫は、サンマの表皮から吸血し栄養を摂取します。

サンマが水揚げされたときに取れることが多いですが、寄生した跡が円状に黒く残ることがあります。摂食しても人体に影響はありません

まとめ

アニサキスを含め多くの寄生虫はしっかりと加熱・冷凍処理を行えば死滅し人体に影響を及ぼすことはありません。しかし刺身や寿司など生魚を食べる場合はできるだけ目視で確認し、きちんと噛むことを意識付けましょう。

ほとんどの魚には寄生虫は存在し寄生虫もまた我々と同じ生き物です。寄生虫をきちんと理解し彼らと共存していくことが我々人間の宿命なのかもしれませんね。

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