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臭みは水質が原因?珍味カラスミで愛されるボラのおいしい食べ方と料理法

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ボラの分類、学名

ボラはボラ目ボラ科に属する魚。
学名はMugil cephalus cephalusです。

その他のボラ目ボラ科に属する魚

ボラ以外に、ボラ目ボラ科に属する魚はメナダです。見た目はボラに非常に似ていますが、いくつかのポイントを押さえておけば見分けることができます。

また、メナダの味わいは淡白な白身でボラに似ています。しかし、ボラは水域によって臭みがある個体がいるのに対して、メナダはボラよりも沖あいに生息するため、臭みがなく美味しく食べることができるとされています。その点がボラよりもメナダが好かれる理由かもしれません。

ボラとメナダの見分け方

ボラとメナダは一見よく似た魚ですが、目と口の周り、胸ビレの付け根、尾の形の3ポイントを押さえると簡単に見分けられます。

ボラ メナダ 見分け方

特徴 ボラ メナダ
脂瞼(しけん)がある 脂瞼(しけん)が小さい
胸ビレの付け根 青色の斑点がある なし
尾ビレの両葉先端の形 先が尖っている。もしくは、二股部分がはっきりしている。 丸みをおびている

※脂瞼(しけん)…目を保護するための、脂肪の膜のことを指す。

ボラの食材情報

ボラと聞くと、身の臭みや卵巣を使ったカラスミをイメージされる方が多いのではないでしょうか。しかし、もともとボラは高級魚として扱われ、マダイと肩を並べるくらいの魚なんです。しかもよく釣れる魚かつ淡水で生かしておけるため冷蔵庫が要らないということで重宝されていました。また、ボラはお食い初めや祭事などにも使用されるほど、縁起の良い魚です。

伊勢湾に面した地域では、ボラの群が来るのを見張る番小屋があるほど、かつては人気を博していたのです。また、ボラは伊勢鯉と呼ばれ、様々な調理法で楽しまれていました。

ボラの臭いは水質が原因?

「ボラは臭い」という今日のイメージは、水質汚濁が原因とされています。高度成長期を経て、日本の水質は悪化。多くの魚が毒化もしくは悪臭を放つようになりました。

汚染された川でも生きていけるほどの適応力を持っていたボラは、死滅することはありませんでしたが、臭い魚と言われるまでに悪臭を放つようになってしまいました。
このことで、ボラは臭いというイメージを持つ人が多く、今ではボラが釣れてもすぐにリリースする人も少なくありません。

しかし、釣ってすぐに血抜きを行えば多少臭いを抑えることができます。また、水質が良好なところで獲れたボラは臭みもなく、ボラの印象をガラッと変えてくれるでしょう。

ボラの美味しい食べ方

ボラは臭みがあり、食用には向かないと思われがちですが、実は美味しく食べられます。

ボラが不味い魚というのは、あくまで高度成長期以降の話です。水質汚濁によって、川や内湾の汽水域に生息しているボラの身にドブ等の匂いが移ってしまい美味しくない魚、臭い魚という印象がついてしましました。

しかし、実際は、淡白な身にほんのりと甘みのある味わいで、刺身でも匂いが気にならない美味しい魚です。現在でも、水の綺麗な場所で獲れたボラは、臭みもなく美味しく食べられています。刺身以外にも唐揚げや塩焼きなどで楽しめる魚です。

ボラの臭みを消す方法

ボラは適切な下処理をすれば、臭いを抑えることができます。下処理の仕方を知らないために臭いの強い身を食べてボラを嫌いにならないように、必ず適切な手順を踏んで美味しく食べましょう。

血抜きと締め方で鮮度を保つ!

魚の臭みの原因は、内臓と血にあります。そのため、釣ったボラを生きているうちに血抜きをしないと身に血がまわり、臭いが強くなってしまいます。

刃物を使った血抜きの方法

エラの根元に包丁を入れ、断ち切り、水を入れたバッカンに頭を下にして、浸けておきます。この際、ボラが暴れるのを抑えるためにボラの頭に強い衝撃を与えて脳震盪を起こさせると簡単にエラを断ち切ることができます。

血抜きの際に気をつけたいポイントは、心臓を切ってしまわないこと。血抜きは、心臓が血を循環させる力を利用して、体外に血を取り出す方法です。そのため、心臓を一緒に切ってしまうと体内に血が溜まってしまい、臭みの原因になってしまいます。

首を折って血抜き!?

大型のボラの場合は、エラを抑えて頭を思いっきり背中のほうに倒し、首を折る方法が有効。この際、血管も切れるため、先ほどと同様に水の中に頭が下になるように入れて、血を抜きます。

この方法は刃物を使わないものの、初心者にとっては力加減が難しく、締めるのに時間がかかってしまう場合もあります。また、首を折る際の手ごたえと音が生々しいことから素人には好まれない処理の仕方です。無理にこの方法を使わずに、血抜き用の道具を準備して釣りに臨むことをおすすめします。

塩水処理、お酢で臭いを抑えて保存期間UP!

臭いが気になるという方には、塩をふりかけて冷蔵庫で1日寝かす方法がおすすめ。余分な水分がボラから抜け、一緒に臭みを抑えることができます。この際に身から出た水分はキッチンペーパーなどで拭き取ってください。浸透圧を利用したこの処理をすることで、臭いだけでなく身がもっちりとし美味しくなります。

また、鮮度を保つために、身を酢にくぐらせてキッチンペーパーで巻いて保存すると良いとされています。こうすることで、ボラの臭いを抑えることができます。

ボラのおすすめ料理!

ボラの唐揚げ

用意する材料

材料 分量(2人前)
ボラの切り身 4切れ(約200グラム)
しょうゆ 小さじ1
大さじ1
ショウガ 小さじ1
にんにく 小さじ1
小麦粉 大さじ2
片栗粉 大さじ2
揚げ油 適量
Point!

市販の唐揚げ粉を用意すれば揃える材料を大幅にカットすることができます。

作り方

1.しょう油、酒、生姜、にんにくを合わせて漬け込むためのタレを作ります。

2.ジップロック等の袋に入れ、ボラの切り身を約20〜40分ほど漬けます。あまり漬け込みすぎると味が濃くなりすぎてしまうので気をつけてください。

3.ボラの切り身を袋から取り出し、小麦粉を振ります。小麦粉にタレを吸わせるイメージでボラに密着させましょう。その上から、片栗粉をまぶす程度でふるってください。

4.170〜180度の油で揚げていきます。この時にあまり身を触りすぎると崩れてしまうので気をつけてください。衣がきつね色になったら引き上げます。

ボラの唐揚げは、「刺身で食べるにはやっぱり臭いが気になる」という方におすすめ。

タレを小麦粉によく吸わせてるため、味もしっかりついてます。唐揚げのサクッり感を片栗粉をまぶすことで再現。生姜とにんにくが臭み消しになる上、分量を調節すれば淡白なボラの身にパンチの効いた衣がマッチしてご飯にも合います。

油で揚げることで、身はホクホク、外はサクッ。刺身で食べる歯ごたえとは一味違った良さがあります。熱々の唐揚げで口の中が火傷しないように注意してくださいね。

ボラでなめろう

用意する材料

材料 分量(2人前)
ボラの切り身 切り身2枚(約120グラム)
しょうゆ 小さじ1
味噌 大さじ1
ねぎ 1/2本
しょうが 小さじ2
にんにく 小さじ1
にんにく 小さじ1
ゴマ 適量
青じそ 2枚

作り方

1.生姜、にんにく、ネギ、青じそを細切れにしておきます。

2.ボラを0.8〜1mm程度に角切りにしていきます。薬味と合わせて叩くことを想定して、歯ごたえを楽しみたい方はもう少し大きめに切ってください。

3.ある程度、細かくなったらさらに細かくなるように包丁で叩いていきます。

4.まとまりがでてきたら、味噌としょうゆ、生姜、にんにく、ネギ、青じそを加え、包丁の腹でまとめていきます。

5.薬味と味噌が全体に行き渡ったら、さらに包丁を使って叩いていきます。味をみて、味噌を足してください。

6.冷蔵庫で休ませてからいただくとより味が染みて美味しくいただけます。

ボラを刺身で食べようと思ったけど、やっぱり無理だった方などは薬味を使って臭いをセーブできるなめろうがオススメです。

お酒のおつまみにもいいですが、ご飯の上に乗せて出汁をかけていただくお茶漬けも美味。ぜひ、お試しください。

ボラの塩焼き

塩焼きは日本を代表する魚の食べ方の一つ。ボラももちろん、塩焼きで美味しくいただけます。用意するものは、ボラの切り身と塩少々。あまり大きくないサイズなら頭付きで焼いてもいいでしょう。塩焼きですので、揃えるものはシンプル。

下処理をする際と、焼く直前の2回塩を使用します。1度目は、焼く20〜1時間程度を目安に塩をふりかけ、置いておきます。するとボラの身から水分が出てくるのでキッチンペーパーで拭き取ってください。これは浸透圧を利用した締め方で、ボラの臭みを取ってくれます。塩焼きはシンプルな食べ方ですが、こういった手間を惜しまず美味しくいただきましょう。

加えて、ボラの皮は硬いため、事前に皮に切れ込みを入れます。すると、箸が身に入りやすくなるだけでなく、火の通りもよくなり一石二鳥です。

皮目にこんがりと焼き目がつき、箸を身にあてがうとほどけるように身が崩れ、食欲をそそる香ばしい香りが拡がります。

食感が楽しいボラのへそ?!「そろばん」の取り出し方と食べ方

ボラを残さずに楽しむなら、ぜひボラの胃の入口部分である「そろばん」を食べてみてください。塩焼きで食べるとコリコリとした食感が楽しめる、おすすめのボラの食べ方です。

ボラのへそがあるのは胃袋付近。胸ビレの付け根の裏側を境に、頭と胴を真っ二つに一太刀入れます。この時に内臓を傷つけないように気をつけてください。切れ目から内臓と一緒に白色の球体、まさにそろばんのコマような形をしたものが出てきます。これがボラのへそ(そろばん)です。

へその中には泥が入っているので、しっかりと洗ってから食べてください。刺身、もしくは焼き鳥のように串に刺し塩焼きで食べても美味しくいただけます。
コリコリとした歯ごたえがあり、クセになること間違いなしですよ。

唐墨(からすみ)の作り方!

日本三大珍味の唐墨(からすみ)を自宅で作れたら、なんてことを考えたことはありませんか?真子(卵)を持ったボラを釣った時は、ぜひ唐墨(からすみ)作りに挑戦してみてください。

真子(卵)の血筋を取り除く

真子には視認できる血筋が数本あります。この血を取り除かないと出来上がった唐墨(からすみ)は臭くなってしまいます。全体を水洗いし、まち針や安全ピンなどを使って血を取り除いてください。

この際に表面の薄皮が破れてしまうと、のちの工程に支障をきたすので気をつけましょう。ここでは、あくまで血が取り除ければ問題ありません。

真子(卵)を塩つけで余分な水分を抜く!

表面の血筋がきれいに取れたら、真子(卵)全体を塩で覆うイメージでタッパー等に敷き詰めます。この際に使用する塩は、家庭で用意できるもので構いません。しかし、精製塩などは味を損ねる可能性がありますのでおすすめしません。

この状態で、冷蔵庫に保管します。塩分によって真子(卵)から水分が抜けていきます。都度、水気を切り、塩を追加してください。1週間ほど経つと真子(卵)から水分がすっかり抜けます。

塩水につけて塩抜き

大量の塩で水分を抜いたため、真子(卵)から塩分を抜く必要があります。この工程を飛ばすと塩っ辛い唐墨(からすみ)になってしまいますので気をつけください。

まずは、真子(卵)についている塩を洗い流します。その後、タッパー等に詰め、真子(卵)がしっかり浸るくらいまで水を入れ、塩分が抜けやすくなるために少量の塩を加えます。

何度か水を取り替え、1日かけて真子(卵)から塩分を抜きます。こうすることで硬くなった真子(卵)が柔らかくなっていきます。この後、お酒で漬け込む方は多少硬さが残る程度で引き上げるのがおすすめ。

ちなみに、お酒で漬け込む場合は、日本酒や焼酎のほかに、白ワインでつける方法もあります。お好みで調整して自分好みの唐墨(からすみ)にしてください。

真子(卵)を天日干し

この段階で腐らせてしまう人もいます。注意して天日干しをしましょう。準備するものは簾(すだれ)もしくは網、台になるパット等。風通しが悪いと腐敗していきますので、パットの上に簾(すだれ)を重ね、パットと簾(すだれ)の間に空間ができるように設置します。その上に真子(卵)を置いて放置。日中は日が当たるところに、日が沈んだら冷蔵庫に保管するようにしてください。

天日干しの際に、真子(卵)にお酒を塗ると防腐対策ができます。ここまで時間をかけて作ってきたので天日干しで台無しにしないように気をつけましょう。
だいたい、10日間から2週間ほどで完成です。季節によっても完成の速さは変わってきますので、色味で判断するようにしましょう。

からすみのおすすめの食べ方!

日本三大珍味のひとつ、からすみ。ボラの卵巣を使ったからすみは絶品とされ、多くの人に愛される食材です。からすみを使ったパスタは特におすすめの一品。

もちろん、そのまま食べることもできますが、味が濃いので2~4ミリ程度を目安に薄く切ってください。大根やニンニクの芽などあっさりとした食材と合わせて食べることでちょうど良い塩分になり美味しくいただけます。

また、少量のお酒をカラスミにまとわせ、網の上で炙ると魚の臭みが消え、風味が変わります。お酒のおつまみはもちろん、お茶漬けとしていただいても格別です。カラスミを炙るのに使用するのはパンを焼くトースターなどで構いません。トースターを使用する際は、片面だけ焼けないように反転させて両面を炙るようにしてください。

ボラの基本情報

ボラの卵巣はカラスミとして使われています。ボラの体は細長いのに頭が平たく、目が横についておりユニークで可愛い顔をしています。

ボラが海面を跳ねる理由は呼吸の補助的役割?!

ボラは海面をジャンプすることができ、いきなり跳ねて釣り人にぶつかることもあるようです。ボラがジャンプする明確な理由はまだ解明されておらず、研究対象としていくつからの論文が出ています。

中でも、このジャンプは意味をなさない一種の遊びであるという説や、呼吸の補助的役割を担うという説など、推測とはいえ興味深いものばかり。ボラが海面から顔を覗かせたら、その理由を考えるのも楽しみの一つかもしれません。

ボラが語源となった言葉「いなせ」と「鯔のつまり」

ボラは「いなせ」の語源となった魚でもあります。「いなせ」とは、勢いがあって少し斜に構えた様子の例えですが、これはボラの若い時の呼び名である「イナ」の背と、威勢の良い若者達のまげの形が似ていることが由来となっています。

加えて、「鯔のつまり(とどのつまり)」という言葉もボラが語源とされています。ボラは出世魚で、大きさによって「ハク→オボコ→スバシリ→イナ→ボラ」と名前が変わり、最終的に「トド」になります。大きさによって名前の変わる様から「鯔のつまり(とどのつまり)」、つまり「物事の果て」という意味になりました。

ボラの特徴・生活史

一般的に50センチメートル前後までをボラと呼びます。ボラは出世魚なので、80センチメートル以上になると「トド」に名前が変わります。

ボラは細長い体型で、側面には不明瞭な細い縦帯が数本入っています。また、目を保護する脂瞼(しけん)を確認することができます。

ボラの産卵期は10月~1月頃。産卵する場所や行動の詳細については、まだよく分かっていません。ボラは暖かいところを好むため、この時期に外洋へ出て南へ回遊し、産卵します。

魚は卵を持つと、卵に栄養が持っていかれるため、身が細くなる傾向にあります。そのため、魚によっては産卵期は食用にあまり向かないと言われています。しかし、ボラの場合は、卵(真子)が日本三大珍味のひとつ「カラスミ」の原材料のため、産卵期が狙い目とされる魚です。

ボラの生態・住んでいる場所

ボラは世界中の温帯~熱帯海域に生息しています。日本では北海道より南の沿岸部に多く分布。内湾の汽水域、河口に生息しているため、個体によっては悪臭を放つものもいます。ボラは水質が悪くても生息できることから、都市部の川でも見かけることができます。

ボラは雑食性で、石などに付着した藻類などを餌とします。しかし、その食性からドブなども食すため都市部のボラは臭いがキツく食用としてあまり好まれません。

ボラの旬と釣り時期

ボラは1年を通じて釣れる魚であり、特に夏から秋によく獲れます。

堤防などからウキ釣りで釣ることができ、ボラの伝統釣法に「風船釣り」というものがあります。これは遠州灘でボラを狙う時の釣り方。遠州灘では冬から秋にかけて風船釣りでボラを狙います。枝ハリスにシモリウキをつけると仕掛けが風船のように動き、ボラに餌をアピールすることができます。

ボラの名前の由来

ボラの名前の由来は諸説あり、一説として「腹が太い」という意味を持つ「ほはら(太腹)」に由来するという説があります。他にも、マライ語の「ボラナク」や「ベラナク」、タイ語の「プラ・ボラ・モー」に由来するといった多様な説もあります。

ボラは漢字で「鯔」と書きます。魚へんに「甾」と書いて「鯔」。「甾」は「あぶら」を意味しており、ボラの幼魚の腹には脂肪がたくさん入っていることから、「あぶら」という漢字が当てられました。

ボラは地域によって呼び方が全く異なり、佐賀県では「クロメ」、石川県では「シロメ」、三重県では「ナヨシ」と呼ぶなど多様です。

また、ボラは大きさによって呼び名が変わる出世魚。関東では稚魚を「ハク」、成長し体長が大きくなるにるれて「オボコ」「スバシリ」「イナ」「ボラ」、通常のボラより大きいものを「トド」と呼びます。

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