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【外来魚】の繁殖で日本の生態系が危ない!?魚とぴ

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外来魚とは字のごとく「外から来た魚」。海外から移入された魚の総称です。

本来日本に存在していなかった魚達が、人間の手によって様々な湖や河川に放流され在来種を制圧しながら生存しています。

在来種の捕食などで生態系や環境に大きな影響を与える恐れのある外来種は「特定外来生物」として指定され、規制の対象になっています。現在魚類だけでも21種確認されています。

日本の代表的な外来魚を流入の経歴を踏まえて紹介していきます!

規制される外来種たち

日本には過去いろいろな経緯で持ち込まれた外来種がいますが、日本固有の生態系を脅かすという理由で関心が高まっています。

外来種のうち生態系や人間への影響が大きい種類を日本の環境省や海外国際団体がリストを作成し、呼び分けています。

リスト名 内容
特定外来生物 海外原産で移植された生き物のうち生態系、人の身体、農林水産業などの多方面に問題を引き起こしている、また被害が予想されるとした生物-環境省
要注意外来生物 特定外来生物のように規制は施されていませんが、環境や生態系に悪影響を及ぼす可能性がある種-環境省
日本の侵略的外来種ワースト100 外来種の中でも日本国内で特に生態系や人間への影響が大きいとされる生物-国際自然保護連合
世界の侵略的外来種ワースト100 外来種の中でも世界的に特に生態系や人間への影響が大きいとされる生物-国際自然保護連合

特に特定外来生物に指定される生物は、法律によって「飼育」「運搬」「輸入」が禁止されており、違反すると処罰の対象になるのです。

意外!ニジマスは外来魚!!

ニジマスが外来魚と聞いて驚く方は多いのではないでしょうか。姿形は鮎やイワナに似ており、いかにも在来魚と言わんばかりに釣り堀等での人気を博していますが、ニジマスは実は外来魚なのです。

ニジマスの自然分布地は、ロシアのカムチャッカ半島からアラスカ、カナダ、アメリカ、メキシコ北部の北米大陸太平洋岸とその流入河川です。日本には1877年からアメリカのカルフォルニア州から卵が輸入されるようになり、その後各地で河川への放流、養殖が行われるようになりました。

英語名では「Rainbow Trout=虹の鱒」と呼んで字の如く、ニジマスの和名はそのまま英名から派生していることが分かります。

現在では川魚の代名詞のような存在のニジマスですが、やはり元は外来魚。日本各地で放流や導入が行われていますが、日本の河川の環境が合わないのか北海道などの限られた水域でしか自然繁殖が確認されていないようです。

自然繁殖が難しいことから生態系の破壊など被害が全国的に及ぶ可能性は低いとされているものの、在来の同サケ科の魚や水生生物に影響を与える可能性があるとみなされ現在では「要注意外来生物」に指定されています。

余談ではありますが、スーパーなどの市場で見かける「サーモントラウト」。実はこちらの魚の正体は降海型のニジマスなのです。

▼ニジマスの生態や特徴についてご紹介!

ブルーギルの繁殖の原因は天皇!?

英名では「blue gill」と表記し、和名でもそのまま「ブルーギル」。名前から予想ができるかと思いますがブルーギルも外来魚です。

ブルーギルは日本全国の河川や湖、ため池や沼などあらゆる箇所に大量に生息していますが、原産地は北アメリカ北部です。

そんなブルーギルは1960年に訪米した今上天皇にシカゴ市長から贈呈されたものを食料化研究のために水産庁淡水区水産研究所が繁殖を試みたものが最初の流入とされています。

その後、研究のため日本各地の湖に放流されましたが、食用として定着せず、日本各地で爆発的に繁殖しました。日本に移入する前から生態系への被害を心配する声が一部から上がっていましたが、案の定の結果になってしまったようです。

雑食性のブルーギルは 特定外来生物として指定されており、プランクトンや在来種の小魚などを捕食し生態系に被害を及ぼしています。現にブルーギルの存在により生態系が危ぶまれている湖沼も多いようです。

ニジマスの生態や特徴についてご紹介!

爆発的な繁殖力が世界的に大問題!ブラックバス!

言わずと知れた、外来魚の代表的な魚「ブラックバス」。勢いのある食らいつきからゲーム性の高い魚として、ゲームフィッシングにおいて根強い人気を博しています。

和名での正式名称は「オオクチバス」。英名の「Largemouth bass=大きな口のバス」からそのまま派生しているようです。

原産地は北アメリカなのですが、繁殖力と生命力の強さから今では世界各地の河川で存在が確認されています。日本でも同様に琵琶湖をはじめ全国各地の淡水に大量に分布しているブラックバスですが、ブラックバスがアメリカから日本に流入してきたのは今からおよそ100年ほど前のこと。

1925年にとある実業家がカルフォルニア州から持ち帰り、箱根の芦ノ湖に放流したのが最初とされています。食用魚として繁殖も簡単なため、日本政府の承諾のもと放流されたようです。

もともと繁殖力と生命力が強いということを懸念し独立水系である芦ノ湖を選んだようですが、その後日本のあらゆる地域での移植で徐々に分布地が拡大していきました。

極めつけは1945年ごろ在日米軍がゲームフィッシングの目的として再度アメリカから日本に持ち込み放流したため、さらに拡大分布したようです。1970年代には、現代のように全国各地でのブラックバスの分布が確認されるようになり、漁業調整規則により無許可放流が禁止されました。

ブラックバスは、全国各地の昆虫や甲殻類在来種や固有魚を制圧し、生態系に大きな影響をあたえています。導入部で紹介した世界の侵略的外来種ワースト100にも選ばれ、日本だけでなく世界的にも問題になっている魚なのです。

多摩川は外来種の巣窟!?日本のアマゾン川と呼ばれる現状とは!

多摩川は、山梨県から東京都から神奈川県を通り、東京湾に流れ出る、関東に住む人々にとってはなくてはならない大事な水源です。

しかし、最近になって「ピラニア」や「アリゲーターガー」などの人に危害を加える超危険な外来魚の報告事例があるのです。

ピラニアはご存知の通り、アマゾン川、南アフリカに生息する鋭い牙を持つ「人食い魚」として知られています。ただ闇雲に人に噛み付いてくるわけではなく、血液の匂いに反応するようです。

かと言って、人食い魚として名の知れた凶悪魚が我々の生活域に存在すると思うとゾッとしますよね。

アリゲーターガーは北アメリカに生息する、最大3メートルにも達するワニのような外見の淡水魚です。

鋭い歯を持ち、魚だけでなく鳥類や小型の哺乳類を捕食することもあるのだとか。多摩川でも1メートルほどのアリゲーターガーが確認されています。

どちらも鑑賞用に個人が飼育していたものを放流し繁殖してしまったことが原因と考えられています。

この2種を含めた様々な外来魚が多摩川で確認されているようで、アマゾン川ならぬタマゾン川とも呼ばれるほどカオスな状況になっているようです。

ピラニアやアリゲーターガーに限らず、ペットとして飼育していた外来魚が手に負えなくなり放流されるケースが後をたたないようで、一部の心のない人間の手により生態系が乱されているのも現状なのです。

まとめ

日本で確認される主な外来魚を3種を紹介しました。3種以外にも日本には「カダヤシ」、「ノーザンバイク」、「マスキーバイク」、「ケツギョ」、「タイリクバラタナゴ」、「ブラウントラウト」…などの外来魚が存在します。

このまま外来魚を放置すれば、日本の河川の生態系に大きな被害を及ぼし巡り巡って人間に関わってくるのです。被害拡大を抑えるために、環境省や、地域住民の方々で「外来魚の持ち込みを禁止」を呼び掛けたり「外来魚捕獲作戦」または「釣り名人による外来魚捕獲」など様々な活動を徐々に行っているようです。

外来魚の存在は、今や釣り人にとってフィッシングの獲物としては恰好なのですが、外来魚により在来種の絶滅なども危惧されています。

魚好きな釣り人なら外来魚のことをよく知り、これ以上拡大を増やさないよう在来魚を守ることも使命のひとつなのではないのでしょうか。

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