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春告魚とは?|ニシンやメバルだけじゃない!日本全国の春告魚を紹介

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「春告魚(ハルツゲウオ)」とは、春に旬をむかえる魚のこと。春告魚の代表として挙げられるのがニシンやメバルですが、春告魚は地域によって違いがあるのです。今回は地域別に春告魚を紹介します。自分の地域の春告魚を知って、春を楽しみましょう。

北海道から東北の春告魚はニシンとサクラマス!

春告魚代表格!北海道のニシン

春告魚の代表格といえばニシン。ニシンは3月ごろ北海道西岸で産卵をするため群れでやってきます。漁師たちは毎年ニシンの漁獲を狙い、春になると漁へと出陣するのです。

ニシン漁は江戸時代から続く伝統

そんなニシン漁ですが、北海道でのニシン漁の始まりは江戸時代からと言われております。江戸時代のニシン漁はとても活発で、当時の松前藩は米の代わりにニシンを年貢に定めていたことがあったそう。

それからもニシン漁は北海道の漁師たちの生活の支えとなり、大きな経済効果を生み出しました。その証拠となるのが現在も北海道小樽市に残る鰊御殿(にしんごてん)。当時はニシンだけで立派な御殿が建てられるほどの漁獲量を誇っていたようです。ニシンが「春告魚」として定着したのも納得ですね。

春告魚から脱退の危機!?

現代ではニシンの漁獲量は激減しており、国産のニシンは今や高級魚として扱われています。お正月のおせち料理で食べる数の子も、ほとんどが外国産になってしまいました。

最近では「春告魚」ではなく「幻の魚」と称されるようになり、「春告魚」の代名詞の座は別の魚へと移行する日も近いかもしれませんね。

▼ニシンの特徴や生態についてはこちら

名前も春!山形県ののサクラマス

山形県の庄内地方ではサクラマスが春告魚です。さらに、春告魚という称号だけではなく、平成4年には山形県の「県の魚」にも制定されました。

サクラマスは、もともとは川で生まれた渓流魚ですが、降海型という性質をもっており、成長するにつれて海へと降ります。1年経ったらまた産卵のために故郷の川に帰り、最期を迎えるという一生を過ごします。

▼ヤマメはサクラマスと同種?気になる生態についてはこちら

山形では最上川で孵化したサクラマスたちが降海して、産卵のために最上川に帰ろうとする春に漁獲します。そのため、山形では春になるとサクラマスが市場に並び、春の食卓をいろどります。

産卵に備えて脂を蓄えたサクラマスは絶品そのもの。素焼きしたサクラマスに茹でたニラを添えた「ニラ鱒」や大根おろしを添えた「染おろし」が人気のようです。春の山形では春告魚のサクラマスをたしなむイベントもあるようです。ぜひ春には美味しいサクラマスを食べに山形に行ってみたいものです。

▼サクラマスの特徴や生態についてはこちら

中部と関東ではメバルとサヨリとハマトビウオが春告魚!

関東代表の春告魚メバル

主に関東、中部地方では春告魚といえばメバルです。春になるとスーパーなどでメバルが売られているのを目にします。

メバルは東京湾全域に生息しており、年間を通して釣ることができる魚です。メバルは冬に産卵期を迎えて接岸しますが、12月から1月は東京湾では禁漁期間。メバル漁は2月ごろに解禁されで、解禁日を境にメバルは市場に出回るようになります。さらに、産卵期を終えた春にはメバルはより活動的になり、東京湾の沖合でよく釣れます。メバルが釣れた時には、「そうか、もう春なのか!」と釣り人たちに春の訪れを思い出させてくれます。

メバルはどんな料理にもあう万能食材!

そんなメバルはお刺身はもちろん、煮付けや塩焼き等どんな調理法でも美味しくいただける春告魚です。スーパーでも手軽に買える魚なので、春の訪れを感じながらメバル料理を楽しみたいですね。

近年では漁獲量の多さから春告魚の代名詞がニシンではなくメバルに移行しつつあるそうです!

▼おすすめのメバル料理はこちら

旬は秋だけじゃない!関東の春告魚サヨリ

サヨリは北海道から九州までと幅広く分布しており、春になると産卵のために堤防や磯付近を回遊します。関東では春がサヨリの釣りや漁の最盛期となり、サヨリもれっきとした春告魚なのです。

サヨリは春だけでなく、秋も良く獲れるとされていますが、産卵期を控えている春のほうが秋に比べて体が大きくなるので、春の方がより美味しく食べられるようです。

▼サヨリの特徴や生態についてはこちら▼

起死回生の魚!伊豆諸島のハマトビウオ

伊豆諸島ではハマトビウオは「春トビ」という愛称で親しまれています。クサヤの原料の魚でもあります。

ハマトビウオは、春に産卵期を迎え、群で伊豆諸島にやってきます。黒潮が流れる伊豆諸島はハマトビウオにとって絶好の産卵スポットのようです。

枯渇状態から回復!ハマトビウオの奇跡!

ハマトビウオは、伊豆諸島では貴重な経済資源なのですが、過去に枯渇状態になってしまったこともあるようです。

1950年から30年間は安定した漁獲量を誇っていたハマトビウオは、1990年を境に全く獲れなくなってしまいました。なんとか漁獲できないものかと悩みぬいた末、「資源管理型漁業」や漁獲量を制限する「総許容漁獲量規制」などを取り入れ、無事にハマトビウオの漁獲量は回復しました。

ハマトビウオの漁獲量が復興した春は伊豆の漁師さんたちにとってはきっと特別な春になったことが想像できますね。

関西の春告魚はサワラとイカナゴ!

春の魚と書いて鰆(サワラ)!瀬戸内海の春告魚サワラ

サワラは「鰆」と書きます。サワラは5月から6月ごろ産卵のために瀬戸内海に出現します。そのため四国や山陽では春の終わりから初夏にかけてサワラ漁が頻繁に行われます。

関東ではもっぱら寒い時期に獲れるサワラが「寒ザワラ」として市場に出回っていますが、「春ザワラ」、「桜ザワラ」として関西では春に好まれて食べられているそうです。瀬戸内海近辺ではサワラを西京漬けで食べます。

▼サワラの西京漬けのレシピはこちら

▼照り焼きでも美味しくいただけます

関東の人々にはサワラが春告魚だなんてしっくりこないようですが、西日本の人々にとってはサワラはれっきとした春告魚なのです。

▼サワラの特徴や生態についてはこちら

あの香りは春の訪れ!瀬戸内海の春告魚イカナゴ

イカナゴはくぎ煮や佃煮として加工されて市場によく出回っている小さい魚です。神戸や淡路、主に関西地方ではイカナゴが最も春を感じさせる春告魚だとといっても過言ではないでしょう。

イカナゴは2月に漁が解禁され瀬戸内海明石海峡大橋付近で漁が行われます。イカナゴ漁は風物詩として地元に定着しています。

獲れたイカナゴは、くぎ煮として調理されます。関西圏では加工されたものを購入するのではなく、家庭でくぎ煮を手作りすることも多いのだとか。醤油とみりんを使ったいい香りが漂ってくると関西の人は「そろそろ春だなぁ」と春の訪れを感じるそうです。

▼イカナゴの特徴や生態についてはこちら▼

四国の春告魚はカツオ!

初鰹で大賑わい!高知県の春告魚カツオ

関東で初鰹が獲れるのは5月頃に対して、高知県では3月下旬頃に初鰹が獲れます。そのためカツオが春告魚というのはまさに高知県ならでは!高知県民は冬の間、カツオを食べることのできないので、春先に釣れるカツオを楽しみにしています。

この時期は初鰹を無料でサービスしてくれる居酒屋もあるそうで、高知県民は初鰹とともに春の訪れを満喫しています。脂を蓄えている戻り鰹とは違って筋肉質の初鰹はまた、違った美味しさがあります。また、カツオの心臓ちちこという部位は各家庭の食卓に並ぶ珍味。レバーのような味わいがくせになります。

▼初ガツオと戻りガツオの違いについてはこちらから

九州の春告魚はシロウオ!

シラウオじゃないよ!北九州の春告魚シロウオ

シロウオ科の「シラウオ」と混合されがちですが、北九州の春告魚シロウオはハゼ科に属する魚であり、一般的に知られているシラウオとは別の魚です。ちなみに漢字では「素魚(シロウオ)」と表記するようです。

シロウオは、2月から4月にかけて主に福岡県の室見川や佐賀県唐津市などで漁獲されます。シロウオは、春になると博多湾から室見川に産卵のために上ってきます。それを「梁(やな)」と呼ばれる柵のような仕掛けで囲い込んで捕まえます。「梁」を見ると、九州の人々は春の訪れを感じるようです。

シロウオは踊り食いでいただきます!

シロウオはぜひ「踊り食い」でいただきたいです。お皿に水を数cmほど入れその中にシロウオを泳がせます。それを専用の網ですくってポン酢で生きたまま食べるのです。生きたシロウオが口内でぴちぴちと跳ねるのが伝わってきます。九州らしく焼酎と一緒にいただきたいですね

まとめ

日本津々浦々の春告魚について紹介いたしました。地域によっての違いや時代背景などなかなか面白い出会いがあったのではないでしょうか。ただ魚を食べるだけではなく、こういった知識をつけていくとより魚への愛着が湧きますよね。春になったら是非魚料理を春の訪れと共に楽しんでみてください。

-メバル

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